<ぷち旅>
小田原 青色申告会 発行 青色NEWS WEB
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箱根エリア<仙石原>
箱根ラリック美術館 1
  箱根・仙石原にある人気の施設、箱根ラリック美術館に行ってきました。ここは、フランスのジュエリーデザイナーでガラス工芸家であるルネ・ラリックの作品を日本一多く取り揃えた美術館です。
  門をくぐると、そこは美術館としてはあまりに広い庭園。早川に流れ込むせせらぎと木々のさざめきに包まれた心地よい自然の中に続く遊歩道の先に、木々の合間に隠れるように奥ゆかしく佇むミュージアムが見えます。この広い庭は、ラリックが作品のモチーフとしてよく用いていた「自然」を美術館自体が擁するために、この土地に元々あった木々を残したものだそうです。夏にはラリックが好んだトンボや蝶がここで孵化するのだとか。
  入ってすぐ気になってしまうのが特別展示「ル・トラン」。パリからイスタンブールへと駆け抜け、多くの有名人・著名人を魅了してきたオリエント急行。その中でラリックが内装を施したサロンカーを、1両まるごと展示してあるのです。中では作品を見学しながらカフェが楽しめるのですが完全予約制で、当日にレストラン受付カウンターでのみ予約可能ということで、今回は涙をのんで断念。改めて乗りに来ます!
  さて、ラリックが愛した自然の中をのんびり歩いて、ミュージアムへ。入り口の上部に並んだ3つの顔に注視しつつ歩みを進めると、驚きです、表情が変わりました。光と影が作り出すイリュージョンです(これはラリックがデザインし現在もラリック工房で生産されているガラスパネルです)。
  中に入ると、出迎えてくれるのは優しい微笑みを湛えた海の女神。1925年のパリ万博でラリックが手がけた巨大な噴水を構成する128体の女神のうちの1体だそうです。
  次は香水瓶のコーナー。かつては平凡な容器へ量り売りしていた香水を美しい装飾瓶に詰めてみようと考え付いた香水商コティが目をつけたのが、既に宝飾細工で名を馳せていたラリック。ラリックは様々なモチーフで変幻自在にガラスを操り、香水瓶たちを芸術作品へと昇華させていきました。ひとつひとつが特別な逸品、という感じがして、この小瓶の香水をつけられる女性は幸せだろうな、とうらやましくなりました。
  ラリックの作品でよく用いられるモチーフは、自然の草木や花、それに虫、そして女性です。まるで動き出しそうな細密な写実と、そのもののディテールをありのままに活かした、計算しつくされたデザイン。虫も人も草木も、ラリックの美の世界では同じものなのかもしれないと思いました。なにしろそれらは作品の中であまりにしっくりと調和して、ひとつの美を完成させているものですから。
  ああ、やっぱり語りつくせません!続きは次号にて。










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