<ぷち旅>
小田原 青色申告会 発行 青色NEWS WEB
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箱根エリア<仙石原>
箱根ラリック美術館 2
  前号に引き続き箱根仙石原の「箱根ラリック美術館」をレポートします。
  次の部屋は宝飾類のコーナー。宝石のみに価値が置かれていた当時のジュエリーの形式に捉われず、ラリックは美を追求しました。例えば形の崩れた自然のままのパール、七宝焼きの技法…全体のデザイン性に価値を見出し、高めていったのだそうです。七宝焼きといえばラリックが活躍した時代、ヨーロッパはジャポニスムブームでした。ラリックも影響を受け、繊細な感性で作品と融合させて見せたのです。唐草文様にも似たデザインの花器、刀のつばをイメージした瓶のふた、中でも斬新に感じたのはカラスと松が描かれた屏風(びょうぶ)。ジャポニスムの要素がごく自然に作品に取り入れられていました。
  次は室内装飾コーナー。前号でも触れたオリエント急行しかり、ラリックは室内装飾でも高い評価を得ていました。代表作のひとつ「雀」は壁、暖炉(だんろ)、棚などで8角形に構成された部屋。壁に群れる70羽の雀たちは鏡面加工によってきらきらと眩く輝きます。これはラリックの愛した女性へ贈られたもので、以前その女性のお孫さんがここを訪れたそうです。「私が子どもの頃は大人たちより早く食卓を出て、この部屋でピアノを弾いていた。20年以上暮らした家を手放さなければならなくなった時もこの部屋だけは手放したくなかった。日本で大切に保管されていて嬉しい」作品の前で涙ながらに語られたとか。
  作品に見とれていると、時の経つのがあっという間です。休憩所も多く設けてありますし、じっくりと時間をかけて鑑賞したいところ。また毎週火・金曜日11時から美術館スタッフによるツアー(参加無料)も実施されています。
  ショップでは図録やポストカード、ラリック社の商品などが購入できます。またミュージアムを出て再び正面玄関へ向かうところにも、もう一つのショップが。こちらでは世界の生活雑貨が取り揃えられていて、自分のためのお土産にしたい素敵なものばかり。個人的にはチェコのガラスの爪ヤスリがすごく可愛かったです。今度買おうかな。
  レストランでは地産地消を意識した近隣の食材の料理が味わえます。南向きの大きな窓から射し込む光に照らされた明るいお店。テラスもあり、いい季節には外でのお食事も素敵ですね。
  1日中ここで過ごしたいほどの居心地の良さ。ここへ来るためだけに箱根にお泊りしてもいいかも。自然と美に包まれた贅沢な時間が過ごせる素敵な美術館。また行きたいです。










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