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湯河原・真鶴エリア<真鶴>
町立 遠藤貝類博物館
  ケープ真鶴の二階に開館した真鶴新名所、「真鶴町立遠藤貝類博物館」に行ってきました。
  ここの展示物は、元々は真鶴の貝類研究家である故・遠藤晴雄氏の自宅に併設されていた私設博物館で公開されていました。それが町へと寄付され、今年の四月、新たな博物館としてオープンしたのです。
  遠藤氏が生涯を掛けて集めたコレクションの数は驚くべきことに4500種類、個数は5万点!その中から選りすぐった1800種5千点が展示され常時見学できます。ケープ真鶴館内の階段を登ると、入口前から貝で装飾された神輿、タカアシガニの標本、オオシャコガイが威風堂々と迎えてくれます。更に進むと目に飛び込んでくるのが巨大なクジラの骨。地元の漁師さんの定置網に掛かっていたそうです。頭蓋骨には潮を噴出す穴が開いています。骨になっても圧巻です。
  第一展示室は「真鶴・相模湾の貝」。海中を思わせる青色の部屋に設えられた大きな水槽の中は、真鶴の磯のジオラマになっています。漁師さんや海女さんの協力で真鶴の磯が忠実に再現されているそうです。身近な貝の標本もあり、自分たちが磯で拾った貝類を照らし合わせて図鑑代わりに楽しむ親子連れも多いとか。
  第二展示室は「日本の貝・オキナエビスコーナー」。この博物館の目玉で、生きた化石と呼ばれる貴重な貝です。世界で確認されている約30種類のうち、27もの種類が揃っているのはこの博物館のみ。またこの部屋には身近なカタツムリの殻もずらりと並んでいました。陸産貝類と言うそうです。
  第三展示室は「世界の貝」。ここは面白い貝類が目白押しです。名前が「ミルクソデガイ」「イチゴナツモモガイ」など、色や表面の質感から名前を連想できるような和名の貝。6本の角のような突起を持つ殻が「水」という漢字に似ている「水字貝」。軒下に吊るして「火除け」にしていたそうです。
  学芸員さんのおすすめは「クマサカガイ」。由来は熊ではなく、歌舞伎で有名な「熊坂長範(クマサカチョウハン)」という盗賊です。女に化けるのを得意としていたこの盗賊。クマサカガイも、他の貝をその身に付着させ化ける習性があります。ぴったりのネーミングですね。また面白いことに同じクマサカガイでも、貝を飾ったり石を飾ったりと好みが違うのだとか。
  世界三名タカラガイ・日本三名タカラガイの合わせて六種が高々と飾られていました。タカラガイの表面は溶けそうにつるりときれいで水玉やストライプなど色も柄も様々。コレクターも多い美しい貝です。
  第四展示室は「企画展コーナー・真鶴の海の生き物」。ここには貝類以外の海の生き物が並んでいます。カメノテやフジツボなど磯でよく見かける彼らも、実は貝ではないと知りました。大人の顔より大きな世界最大の巻貝アラフラオオニシ(意外にも食用)や、オオシャコガイ、貝で作られた美しい花も飾られていました。
  なんだか一生分貝を見た気がします。それでも今見てきたのは遠藤さんのコレクションの一部。貝に焦がれ、生涯をかけて集めた遠藤氏の情熱を垣間見た気がしました。全国的にも珍しい、貝に特化した博物館。是非、真鶴の海・磯料理と合わせて楽しんでみてはどうでしょう。










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