<ぷち旅>
小田原 青色申告会 発行 青色NEWS WEB
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足柄上エリア<南足柄>
大雄山最乗寺・前編
 私達が暮らす小田原周辺には、小田原北条氏五代に仕えていたと言われる忍軍団・風魔一党の話や、足柄山は金太郎とその母の故郷であるなど、摩訶不思議な魅力と歴史がある伝説が、数多く残されています。今回はその中から、最乗寺の天狗伝説を求め、南足柄市の大雄山をぷち旅しました。
 小田原駅から大雄山線で21分。大雄山駅を出てすぐ右手に、さっそく熊に跨る金太郎の銅像が。故郷の足柄山を紹介していますが、今回は金太郎ではなく天狗に会いたいのだと駅のロータリーを出て左へ。しばらく歩道を進んでいると橋が見えてきました。大雄橋と狩川です。大雄橋の到る所に天狗をイメージさせる装飾が施されていました。
 川を越えると一旦歩道がなくなりますが、緩やかな坂の道なりに進みます。途中で何度か「平成の名水百選・清左衛門地獄池」と言う看板を見かけます。ここは、美しい自然が残っている貴重な土地なのだと改めて認識させられました。
 大きく蛇行するアスファルトの道の所々に、大きな石碑らしきものがぽつぽつと点在していました。書かれている字ははっきりしませんが、どうやら最乗寺に関係していることのよう。ミステリアスな石の群れを横目に更に登って行きます。
 駅から25分程の所で、参道の始まりとなる「仁王門」に到着しました。赤い門に、赤い仁王像が堂々と、威圧感を持って出迎えてくれます。ここから最乗寺までの約2キロメートルの道のりを「てんぐのこみち」と言い、これは「かながわの古道50選」にも名を連ねています。仁王門周りの歩道に敷かれたタイルには可愛らしくデフォルメされた天狗の絵などが填められており、気持ちが盛り上がります。
 仁王門をくぐり、てんぐのこみちに入ります。ここは道路と遊歩道がはっきりと分かれており、また歩きやすく整備もされています。運動用のスニーカーであれば、登山用の靴でなくても難なく登れるかと思います。しかし2キロの距離があるので、足腰に少々の不安がある方は、足首をしっかりと守ってくれる靴とステッキを持参するのをオススメします。
 樹齢三百年を越える杉の大樹が並ぶ森は深く、がさがさと頭上で葉が擦れ合う度に、本当に天狗が居るのではと思わされてしまいます。とても静かで、美しい道です。冷たく澄み渡った空気を胸いっぱいに吸い込むと、それだけで不思議なパワーが身体の底から湧き出てくるように感じました。杉の木以外にも、参道沿いには多種多様の植物が群生しています。中でも、一万株の紫陽花が一斉に色づく初夏の頃や、山全体で様相を変えてしまう紅葉の時期が見ごろだそうです。是非ともまたこの道を訪れて、この目で見てみたいと強く思いました。
 木々に囲まれていた道が再び道路沿いへと合流し、趣ある茶屋の前に出ます。どうやら目的地は近いようなので、茶屋の甘い誘惑を振り切り足を進めて行きます。歩いている横を大型バスがスイスイ通り抜けます。駅から仁王門、そして最乗寺へと通ずるバスがあり、それを使えば汗ひとつかかず目的地に辿り付けます。しかし、歩かなければ得られない感動は確かにあると最乗寺入口の門を見上げ強く感じました。(後半へ)。










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